ラストエンペラーは中国(清朝)の最後の皇帝・愛新覚羅溥儀(あいしんかぐらふぎ)の生涯を描いた映画です。
冒頭の溥儀の即位式のシーンからラストに繋がる伏線があり、コオロギを小さな筒に入れていました。
そして結末にはコオロギが逃げ出したシーンの意味が気になります!
今回はラストエンペラーの結末・コオロギの意味についてまとめてみました。
目次
ラストエンペラー のラスト・結末のコオロギの意味は?
映画・ラストエンペラーは陸軍役に坂本龍一さんが出演され、音楽も担当していて日本でも話題になりました。
4月11日「ROCK 今日は何の日?」1987年、坂本龍一が映画『ラストエンペラー』の音楽でアカデミー賞を受賞。オリジナル作曲賞としては、日本人初の快挙を成し遂げた。この映画に向けて伝統的な映画音楽と中国音楽を改めて勉強し、その才能を発揮し、見事な調和を表現したことが評価された。 pic.twitter.com/X1Q9DD5ujt
— ROCK,MUSIC&BAR Freak (@ROCK_BAR_Freak) April 10, 2020
ラストエンペラーとは
西太后が崩御し、わずか3歳の溥儀が皇帝に即位することになります。
その後、激動の歴史に翻弄され皇帝から戦犯、一般庶民の庭師まで経験する波乱万丈の人生を送った愛新覚羅溥儀(あいしんかぐらふぎ)の生涯を描いた映画です。
最後に溥儀がコオロギの入った筒を少年に渡す
溥儀は懐かしさに惹かれながら紫禁城へ赴きます。
その頃には王座に就いた紫禁城の姿はなく、今や観光スポットになっていました。
懐かしそうに王座へ上がろうとした時、少年が駆けつけ注意されます。
溥儀は「私もかつて、ここに住んでいた。」と話しますが、少年から「証拠は?」と問いかけられます。
溥儀は3歳の即位式で家臣からもらった筒を王座の下から取り出しました。
少年は不思議そうに筒の蓋を開けると、中からコオロギが飛び出し驚きます。
「ラストエンペラー」こそ4Kに相応しい映画はないと思うんですよ。ネタバレになっちゃうけど、コオロギに泣いた😢 pic.twitter.com/WORznY4Zzo
— Lovelife😙 (@mylovelife0617) November 27, 2018
そして少年が顔を上げると溥儀の姿はなく、観光客がドット押し寄せてきました。
コオロギの意味を考察
このシーンはなんとも象徴的でしたが、コオロギがそんなに長生きするはずはないですよね(汗)
これに関しても色々と感想や評価もあると思いますが、コオロギの意味は何だったのでしょうか?
これは、即位式の時に臣下からもらったコオロギとその入れ物は、コオロギが溥儀を、入れ物が監禁場所を象徴していると考えられます。
そして人民帽をかぶった守衛の子供は、まだ建国間もない中華人民共和国の象徴してると考えられます。
清朝最後の皇帝であった溥儀がその子に玉座の前で筒を手渡わたすことで時代の流れを示しています。
筒を渡された子供が振り返った時に溥儀がいなくなったことで、溥儀が帰らぬ人・天に召されることで、監禁場所からやっと出ることができたことをうまく表現していますね!
そして中国の故事でこんな言葉があります。
邯鄲(かんたん)の夢
意味:人の栄枯衰退は所詮一瞬の夢のようなもの
邯鄲とは「コオロギ」を表しています。
故事の話にあったストーリーとは驚きですね。
ラストエンペラーで溥儀の最後は故事に似てる!
ラストエンペラーは中国の故事にすごくストーリーが似ています!
それは「一炊の夢」という故事で、立身出世を夢見ていたロセイという青年が、宿屋で出会った老人と話したところ枕を渡され寝ている間に立身出世から失脚まで、栄枯盛衰をして目が覚める話です。
この故事のポイントは目が覚めたときに、老人が蒸していた「きび餅」がまだ蒸しあがっていなかったところです。
コオロギといえば儚い命の象徴です。
溥儀が3歳の時に受け取ったコオロギが60年以上も生きているはずがないですよね。
その間に溥儀はまさに「一炊の夢」のロセイのように頂上からどん底までの人生を味わっていたところが似ています!
もしかしたら波乱万丈の溥儀の生涯も長いようで、実はコオロギの一生にも満たない、一瞬の夢のような、はかないものだということを表しているかもしれません。
まとめ:ラストエンペラー結末とコオロギは故事に似てる!
ラストエンペラーの序盤と結末に出てきたコオロギ。
コオロギが出てきた事で謎が残りましたが、あれは中国の故事の言葉から作られたストーリーかもしれませんね。
人生の絶頂からどん底まで味わった愛新覚羅溥儀(あいしんかぐらふぎ)の人生が描かれた映画なので気になる方はぜひチェックしてみてください!