映画/ラストレターは2020年1月に公開された松たか子さん主演の映画です。
「Love Letter」「スワロウテイル」「四月物語」「花とアリス」など、数々の名作を世に送り出してきた岩井俊二監督の映画で話題になっています!
ラストレターは物語のベースとなった前作や小説があったりと、岩井俊二監督の経験なども元ネタになってるそうです。
今回は映画/ラストレターとラブレターの繋がりや、原作・元ネタについてまとめてみました。
目次
映画/ラストレターとラブレターの繋がり・関係
映画/ラストレターは「ラブレター」という作品の原点に立ち戻る物語だと言われています。
『ラストレター』、エモさとキモさが同率で押し寄せてきて何とも言えない映画。でも岩井俊二はやっぱり好きだな。
— ミユキ (@QUuQZs1DKVQfb5q) July 15, 2020
「ラストレター」は「ラブレター」のアンサームービーだと岩井俊二監督はコメントしています!
このアンサームービーというのは以前制作された作品に応えるような映画だということになります。
その結果「ラブレター」に出てきた手紙(ラブレター)に返答する手紙として、「ラストレター」という映画を制作したかもしれませんね。
もしくは映画/ラブレターに登場する人物の想いに答える形が「ラストレター」の作中に描かれている意味なのかもしれません。
映画/ラブレターは人生初のラブレターの物語であったのに対し、映画/ラストレターは人生最後のラブレター(ラストレター)ということなのでしょうね。
ラブレターの映画は初々しい初恋の気持ちとほのぼのした感じが表現された映画でした。
それに対し、ラストレターは蓋をしてきた初恋の淡い思い出が動き出し、過去に想っていた気持ちがある事をキッカケに再び蘇るところが面白いです。
このラストレターの映画は岩井俊二監督が伝えたくても伝えられなかった過去の誰かの想いを手紙によって昇華させ、過去の思い出の扉を閉じて前向きになれるという事を意味するような映画だと感じました。
ラストレターの映画と原作・元ネタについて
映画/ラストレターの原作、脚本、監督を手掛けた岩井俊二監督ですが、この作品が映画化されるまで、長い道のりがあったようです。
そしてこのラストレターの原作・元ネタとなっている物語は、岩井俊二監督の実際の体験から発想されています!
そしてラブレターも岩井俊二監督の体験から作られ、その後「チャンオクの手紙」を生み、今回のラストレターの制作する流れになったと言われています。
ラブレターからラストレターが作られた流れ
岩井俊二監督がラブレターからラストレターまでの制作の流れをまとめてみました。
ラブレター(1995年)
岩井俊二さんが監督としてメガホンを取った初の長編映画がラブレターです。
朝からラストレター観て感動した。
久しぶりに岩井俊二監督の映画を観てラブレターの続編と思いながらも別の作品で学生時代を思い出す懐かしさや透明な映像からのストーリー展開がよかった。
なによりも岩井監督の映画を十数年ぶりに観たという実感がよかった— 上江洲 修 (@o_uezu) July 16, 2020
ラブレターの内容は「婚約者の藤井樹を遭難事故で亡くした博子が、亡き藤井樹宛に手紙を書いたところ、返信が返ってきた」という物語です。
博子に手紙を送り返してきた藤井樹は中学生の頃の同級生で同姓同名の女性でした。
博子は意外な展開で驚きますが、亡くなった藤井樹のことをもっと知りたいと思いから文通を続けます。
文通を繰り返していくのち、藤井樹が中学時代に藤井樹(女)に送ったラブレターを見つけ、藤井樹(男)が自分に思いを寄せていたことに知ります。
映画/ラブレターは岩井俊二監督の学生時代の恋を懐かしむ気持ちが生み出した作品と言えます。
チャンオクの手紙(2017年)
2017年には岩井俊二監督は韓国のショートフィルム4話を1つの映画にまとめた「チャンオクの手紙」を公開しました。
日本映画専門チャンネルでチャンオクの手紙。岩井俊二監督のショートフィルムで韓国が舞台。キム・ジュヒョクが出ているので見たら、ペ・ドゥナも出ていてラッキー。
専業主婦のよくある日常が描かれていて、ちょっと笑えてちょっと泣ける。ペ・ドゥナ可愛い。ジュヒョクの普通の会社員役似合ってる。— かく (@kakutan_minoru) February 17, 2020
この作品に登場するウナは二人の子を持つ母親で、同時に夫の母親の介護もしていました。
まだ子供も手がかかる年頃で義母の介護も大変で、夫の協力もない状況ですが前向きに明るく生活していました。
しかしある日、義母のチャンオクが亡くなりみんなに宛てた手紙を残していたことに気づきます。
ただウナには手紙はありませんでした。
この映画/チャンオクの手紙はチャンオクが何故ウナには手紙を残さなかった理由が明らかになる最後が感動する物語です。
この作品でも岩井俊二監督の「手紙」に関する思いと、「伝えたくて伝えられなかった思い」が鍵となっています。
この「チャンオクの手紙」というショートフィルムの脚本も過去に岩井俊二監督が経験した「伝えたかった想いを伝えられなかった誰か」がいて、そのことが岩井俊二監督の中で気にかかっていたのではないかと思われます。
ラストレター(2020年)
2020年に公開された映画/ラストレターは岩井俊二監督の元ネタとなる体験がもっとも詰め込まれた作品だと言われています。
この作品の鍵になってくるのはやはり「手紙」と「誰かに伝えたい想い」で岩井俊二監督には、どうしても伝えなければならない誰かへの想いがあるみたいです。
小説:未咲
映画/ラストレターの中に「未咲」というタイトルの小説が出てきます。
主人公の乙坂という小説家は高校卒業後、横浜の大学に進学。
未咲という女性と再会して恋人同士になりますが未咲は他の男にさらわれるように乙坂の前から姿を消します。
岩井俊二監督は美咲は「自分の大学時代をベースに横浜を舞台とした作品」とコメントしています。
さらに、岩井俊二監督は映画「ラストレター」が出来上がる前に、この小説「未咲」を書き上げており、作品をよりどころに「ラストレター」を書き上げたそうです。
つまりは岩井俊二監督の中に、大学時代に自分の元を離れていった女性へ伝えたい気持ちがあったと考えられます。
それが手紙として書き出され、その手紙が元ネタとなり、映画「ラストレター」が作られたということです。
まとめ:ラストレターとラブレターは岩井俊二監督の経験談!
ラストレターとラブレターの繋がりは岩井俊二監督の経験談で、人生初のラブレターであり最後の手紙ということでラストレターというのがわかりました!
「手紙」から「誰かに伝えられなかった想い」というところを題材にして、それぞれの人たちの想いを描いた作品は見る人を引き込む魅力があり、自分の経験からも照らし合わせられる作品となってますね。
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